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2000年6月3日  旅は自己責任で行うもの

 東京在住のイスラエル人(ニューヨークにはテルアビブより多くのユダヤ人がいるので、あえてこう呼ぶ)で子供の頃に父親の仕事の関係でワシントンDCで過ごした人から聞いた話し。

 議事堂を中心に大きく4つに区分でき、その内高級住宅地域と呼ばれるところに住んでいたのだという。「じゃあ、この辺なら安全なんだね」と彼に聞くと、「日本でいうレベルの安全なんて日本以外には無いと思って。まあ、しいて言うならば、まだ他よりまし、という程度だよ」ということだった。
 そんな彼、仕事でニューヨークなどに行くときは、飛行場を出る時に、「ここは日本じゃないんだぞ!」と自分に言い聞かせるとか。ニューヨークに来たら、少し緊張していないと危ないんだと言う。そんな彼がある時ニューヨークで荷物の一部を盗まれたという。たぶん、平和な日本にあまりに長く住みすぎたから、気が緩んだのだろう。

 朝日新聞に勤めている友人がニューヨークに赴任した。最初はいやがっていた家族も住んでいるうちに気に入ってしまった。数年後、帰国したのは彼だけで、家族は東京よりニューヨークがいいと、あちらに残った。ニューヨークは危険という先入観のある私にとっては奇異に思えた。聞けば、市長が代わって、以前よりは安全になたのだそうだ。
 考えてみれば、あの都市にあれだけ多くの人が住んでいて、女性も子供もいる。そんなに危険ならば、みなどこかへ逃げて行ってしまうだろう。ようは時間と場所を選ぶこと。安全な場所、危険な場所。また昼間は問題ないが、夜は危険度が増すといった所。しばらく住んでいるとそういったことが分かってくる。

 さて、こういった時に海外旅行するときに、判断のよりどころにすべきは現地の正確な情報。あとは自分自身の対応力。どの程度旅行慣れしているのか。何かが起こった時に、少なくとも英語で助けを求められるのか、などの危機管理能力だ。最後は「自己責任」という意識でしょう。
 そんな意識の弱い日本人相手だから、旅行業者は自己防衛の為に、はやばやと主催旅行をキャンセルしてしまうのかもしれない。


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